高校生諸君は、大学の講義にどういったイメージを持っているだろうか。高校の授業とは異なり、自分でさまざまな選択肢の中から受ける講義を決め、興味のある分野を知ることができるのが特徴だ。ここではごく一部ではあるが、東北大学における講義を紹介する。高校生の諸君が、大学の講義で何を、どう学んでいくのかを考える上で参考にしてほしい。
高校生諸君は東北大学の電気通信研究所(略称:RIEC・通研)を知っているだろうか。通研は昭和10年に設置され、レーダーやソナーなどに使われた八木・宇田アンテナやカセットテープの発明、光通信を支える三要素の発見などの実績を持つ、本学が世界に誇る研究所の一つだ。そんな通研の最先端の研究内容を研究者である教授本人から直接聞くことができるのがこの「未来の電子・通信・情報技術を目指す学術研究の最前線」だ。
この講義は、通研の幅広い分野の最先端研究について触れ、情報通信技術の未来像を獲得してもらうことを目的としている。この講義では毎回異なる研究分野についてその研究に実際に携わっている教授本人から直接詳しい話を聞くことができる。実際に話を聞くことのできる研究分野は実に多岐に渡っており、量子コンピューター・ハードディスクの改良・コンピューターの思考アルゴリズムなどの情報工学の研究や、半導体レーザーの研究、防災無線の研究、磁場を利用した医療機器の開発、人間の知覚を利用したデバイスの開発など、日ごとに全く違う分野の研究内容が聞けるのも珍しくない。講義は、教授の専門分野についての予備知識・基礎知識について説明を受けてから研究内容の説明に入るという形式をとっている。
また、講義の途中や終了後には、教授によくわからなかったことやもっと知りたいことを質問できる。そのため、全く何も事前の知識がない状態で講義を受け始めても、終わった時にはその分野についてある程度の知識を手に入れることが出来る。そのおかげか、講義を受けているのは筆者を含む工学部や理学部、医学部のほかにも、法学部など文系の生徒もいる。専門分野の研究内容というと難しそうと思う人もいるかもしれないが、その心配はない。教授の方々に毎回分かりやすく説明してもらえる。筆者も事前知識の殆ど無い状態で講義を受けているが、教授の話を聞いて、それでもわからなければ質問して理解している。
オープンキャンパスでは、多くの研究室で研究紹介を行っている。この機会に新たな分野への知見を広めてみてはいかがだろうか。
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