2014年7月30日水曜日

【ネタ記事】オープンキャンパス実験企画!制服で講義に出るとどうなるの?



 東北大学のオープンキャンパスには、毎年全国各地から多くの中高生や受験生が訪れる。みなが目を輝かせながら、ほんの一部ではあるが学問の最先端に触れていくのだ。そしてこう思うだろう。「自分もこの大学に入りたい。学問を究めたい」と。かつては我々もそうだった。目は輝き、世界には光が満ち溢れていた。



 しかし現在はどうだ。酒や麻雀、ゲームに溺れる毎日。それに加えてレポートやテストに追われ、その虚ろな目はまるで死んだ魚のよう。真面目に出ていた講義も、今や遅刻は日常茶飯事。紛うことなき学生の屑である。このままではいけない。ここで一度、初心を思い出すべきではないだろうか? そんなことを考えていると、下校中であろう高校生が視界に入った。――これだ。高校の制服を着て大学の講義に出よう。かくして、過ぎ去ったあの頃を思い出す物語が始まったのだった。



 7月某日。この企画に名乗りを上げた筆者、部員A、部員Tの3人は、久しぶりに制服を着た。1年生の部員A、Tはまだ高校生に見えるが、2年生の筆者はいささかキツい……否、どう見ても高校生だ。異論は認めない。次に我々は、講義が行われるそれぞれの教室へと向かう。するとさっそく、すれ違う人々から視線を集めることになった。三度見する者もいれば、こちらを見てヒソヒソと何かを話す者もいた。群衆からの大注目をくぐり抜け、教室に到着すると今度は友人たちから質問攻めの洗礼を受ける。「一体その格好は何だ」「とうとう気を違えたか」「近くにいると俺までおかしい奴だと思われる」……酷い言われようだ。挙句の果てには全く知らない学生からも「高校生の方ですか」と聞かれ、(常識的に考えて高校生が大学の講義に出る訳無いだろ! いい加減にしろ!)などと心の中でツッコミながら受け流した。という具合に講義が始まるまでは色々あったが、慣れてきたのか、違和感が徐々に薄れ、講義自体は普段と変わった様子はなかった。

 しかし講義が終わったそのとき。最初から疑問に思っていたのか、遂に教授が筆者に攻撃を仕掛た。「なんでそんな格好してんの」「老けた高校生みてえだな」しかもみんなの前で。「いやあ、ちょっと部活の関係で……」適当にお茶を濁す筆者。今みんなからすごい見られてる! やめて! 見ないで! 体に穴が空くかと思った。また、部員Tは英語の講師(ネイティブスピーカー)に「Are you in High School uniform?」と質問され、「Y……Yes(困惑)」と答えていた。そして部員Aに至っては、友人から本気で心配される羽目になった挙句、一部友人との友情に亀裂が入ったかもしれない、という割と深刻な事態に陥っていた。結局、3人とも阿鼻叫喚の様相を呈して企画は終了した。

 振り返ってみると、あの頃のやる気を取り戻すどころか3人とも何か大切なものを失い、余計に目が曇ってしまった。読者のみなさん、どうか我々の二の舞にならぬよう精進して欲しい。そしていつの日か、東北大生として邂逅するときが来たなら、我々は諸君を歓迎したい。もちろん亡者のような目ではなく、輝きに満ち溢れた眼差しで。

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